弘法大師ゆかりの不動堂。
延暦年間、弘法大師が唐(中国)から帰って真言密教の布教霊場を建立するため、全国を巡ってよい環境の地を探し求めて御座に来られました。金比羅山で百日の護摩供養の後、自らの爪で地中から突出している自然石に不動明王像を刻まれたと云い伝えられています。
村民は、これを爪切不動として信仰し、一堂を建てて霊場とし、絶対秘仏としています。
境内は緑濃く幽すいな雰囲気が漂い、静寂そのもので、不動堂の他に開祖弘法大師をまつる大師堂をはじめ、薬師堂、子安地蔵などがあります。
(志摩町史 改訂版,志摩町教育委員会,2004年)